天草の世界遺産・﨑津集落へ

2025年5月3日土曜日

九州 天草

 4月22日、この日は残念ながら雨。霧でかすんで寂しげな写真ばかりになってしまいました。

旅館の入口にあった宮地岳かかしの里のかかし。いい雰囲気なのでプロがつくっているのかと思っていたら地域の人たちの手作りだそうです。天草市宮地岳町でおよそ20年前から地域の高齢者たちがかかしの制作を続けて、今ではかかしまつりが恒例になっているそうです。面白そうです。
この日はこのように行きました。
旅館からまず十三仏公園の展望台に行きました。天草西海岸を代表する岩礁の妙見浦を見ることが出来ます。妙見浦は国指定の名勝および天然記念物となっています。右側に見えるのが誰が言ったか海を渡るゾウさん岩!
大江教会はキリスト教解禁後、天草で最も早く造られた教会
教会の中には自由に入れるのですが写真撮影は禁止されているので、これはパンフレットの写真です。現在の建物は1933年(昭和8)にフランス人宣教師ガルニエ神父が私財を投げうって建設しました。設計は鉄川与助。
教会から見た街並み。天草は平らなところが少なく坂道ばかりで車がない時代は大変だったと思います。
大江教会のすぐ下にある天草ロザリオ館。天草での潜伏キリシタンの生活の様子のビデオ、マリア観音像、お寺での葬儀の時のお経を隣の部屋で飲み込ませた経消しの壺などの遺物、隠れ部屋が再現してあり見応えがありました。

ロザリオ館から10分ほどで2018年に登録された世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産の一つである﨑津集落に到着。
この世界遺産は激しい弾圧を受けながらも約250年間に渡って潜伏キリシタンとして信仰が守られてきたヒューマンヒストリーが世界でも類を見ない資産であると評価され、平成30年、世界文化遺産への登録が決定しました。
 天草では﨑津集落が選ばれています。
車は海上のマリア像が見られる天草漁協﨑津直売所『きんつ市場』の駐車場に置きました。この日は市場はお休みでした。
マリア像の近くに行くと見えないのでここから見るのがベストスポットらしいのですが、かなり離れています。
海上マリア像、高さ約3mの白いマリア像は、1974年に集落の信者たちによって海の道しるべと航海の安全を願って建てられたものです。
右が崎津諏訪神社 潜伏キリシタンの人たちは表向き神社へもお参りしていました。厳しいキリシタン取り締まりで信心具を差し出すように指定されたのがこの崎津諏訪神社でした。

左は旧﨑津教会があった場所です。神社の隣なんです。1888年、ここに教会が建ち﨑津集落におけるキリスト教徒の潜伏は終わりを迎えたそうです。
現在の建物は1957年に建てられた旧修道院。
崎津諏訪神社から集落を見ると真ん中に崎津教会が見えます。
旧修道院の前には現在の﨑津教会を建設したハルブ神父のお墓がありました。
主の平和を表す「PX」の文字が刻まれています。
現在の﨑津教会は1934年(昭和9年)に再建されました。ハルブ神父の強い希望で、弾圧の象徴である絵踏みが行われた吉田庄屋役宅跡に建てられています。建築費用の不足から、前半分がコンクリート、後ろ半分が木造です。
教会内部は撮影禁止なので教会HPの写真です。内は畳敷きです。
ルルドの泉を再現したものもありました。
大江教会も崎津教会も設計は鉄川与助、五島列島に行った時に鉄川与助さんのことを知りました。大工の家に生まれ小学校しか出ていない彼の設計した教会はいくつも重要文化財や世界遺産になっています。五島で見た彼の作品の教会にとても感銘を受けました。信者でない与助が信者の夢を叶えるため、見たこともない教会造りに挑み続けたのですから。また天草で鉄川与助さんの教会に出会え嬉しいです。
﨑津資料館みなと屋に入ってみました。昭和11年に建てられた旅館みなと屋が資料館になっています。ジオラマは昭和初期の﨑津。
アワビの貝殻の内側の模様を聖母マリアに見立てたというのだが・・・全く分からない?
一見仏像のようなウマンテラさま、大天使ミカエルではと指摘されている。
おメダイが隠された家の柱など潜伏キリシタンの﨑津特有の生活が展示されていました。1805年の「天草崩れ」とよばれる取締りでは﨑津村民の約70%が潜伏キリシタンであったと記録されています。本来なら極刑に処してもおかしくないところ、村の消滅の危機ということで「宗門心得違い」ということで無罪にしたそうです。こんなことがあったとは知りませんでした。
1873年、明治政府はついに禁教令を廃止しました。
キリシタンたちは250年に及んだ潜伏を経て、信仰を公にすることができるようになりました。250年ってすごい年月🤔
海月(くらげ)というお寿司の有名店。かなり美味しいらしい、時間が合えば行きたかったなぁ・・・
フェリーで鹿児島に渡るために牛深港に向かいました。
牛深ハイヤ大橋、全長883mと県内最長。高速道路ではなく歩道もありました。漁港と水産加工のある地区との流通機能の充実のために造られたそうです。それにしてもすごかったわ。
お昼はフェリー乗り場の近くの魚政に行きました。魚屋さんの2Fが食堂です。食べログ100名店に選ばれているお店です。
4月が旬の牛深のムラサキウニを食べようと意気込んでいたのですが全部送ってしまってないとのこと、残念無念😰
海鮮丼にしました。テレビで博多華丸さんが東京に来たらお刺身売り場が真っ赤で驚いたと話されていましたが、西に行くと白身魚がメインです。関西育ちの私は白身魚が大好き! 北海道生まれの夫はマグロとイクラが無いのが寂しそうでしたが、こちらの海鮮丼とお吸い物は美味しくて大満足でした。やっぱり地の物が美味しいですね。
僻地にも関わらず(失礼🙇‍♀️)食べログ百名店に選ばれているってちょっと不安だったけれど美味しゅうございました。
ついに三和フェリーで天草とお別れです。誰も手を振ってくれる人がいないのは寂しいなぁ👋👋
30分で鹿児島の蔵之元港に到着。どこに着くのかと見ていたら・・・エッ!あれが港😲 今まで見たフェリー乗り場で一番小さいかも。
ついに天草から鹿児島に上陸です。